05≪ 2017/06 ≫07
123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2009-10-20 (Tue)
あっという間にすっかり秋本番。
この間まで半袖だったのに、今では長袖に上着が必要で・・・季節の移ろいは本当に早いものです。


さて、今更ながら時間が出来たので、ようやくDVDを入手した映画“This is BOSSA NOVA”を鑑賞。

ディス・イズ・ボサノヴァ [DVD]ディス・イズ・ボサノヴァ [DVD]
(2008/03/28)
アントニオカルロスジョビンカルロスリラ

商品詳細を見る


公開された当時、私はまだボサノヴァ初心者で、気になってはいたが見そびれてしまっていた。
ただ、映画のプロモーションで来日していたカルロス・リラがTVに出ていて、スタジオで歌った“Coisa mais linda”に心奪われたのを憶えてる。


花よりも美しい君
そして僕は少し悲しくなる
よくわからなくなる
君を愛する僕の愛は
これほどに美しいものなのか
                  (“Coisa mais linda”)

まだこの頃、この曲を知らなかった私は、その美しい曲に聞きほれながら字幕を追い、そしてちょっと驚いた。
普通愛する女をたたえるような曲で、どうして「少し悲しくなる」なんていうオチをつけるのか・・・?
ジャズの歌詞では、ほとんどこんなことはないので、びっくりしたと同時に、強く惹かれていく予感を感じた。

儚さが同時に存在するからこそ、美しさが際立つ。
この価値観はむしろ日本的とも言え。
それまで、こういう価値観を持つ音楽に出会ったことがなかった。
このあと、私は急速にボサノヴァに傾倒していく。




そして、今になって改めて観て。
何故だか何箇所か、涙が止まらないのだ。
ジョビンの息子、パウロが“Meditacao”や“Vivo sonhando”を歌うあたりだったと思う。
映画の中で特に泣きの演出があったわけでもなく、確か建築大学でのコンサートの話とか、ジョビンの作風とかの話の中でパウロが出てきただけだったと思うのだが。


愛と微笑みと花を信じたものは
安らぎを失った
愛と微笑みと花は移ろいやすいから
泣いて泣いて
涙も枯れてしまった者は
もう一度愛と微笑みと花に戻ってきて
すべてを取り戻した
愛を見出して悲しみを終らせた
                   (“meditacao”)

なんと美しい詞だろう。
そして、私もまた、この歌詞に自分が重なっていく。


ボサノヴァのとても大事な要素の一つがやはり歌詞であると、映画の中でも言われているけれど。
とりわけ私は、ボサノヴァの中でも少し影がある歌詞に惹かれるのだ。


しばらく、BGVとしてヘビーローテーションになりそうです。
一度観ただけというボサノヴァファンの皆様、一度だけじゃもったいないです。
ぜひお手元に!

(文中の訳詞は字幕に私個人の要約を加えて、一部省略したものです)


スポンサーサイト
| ボサノヴァ本レヴュー | COM(2) | TB(0) |
2009-08-13 (Thu)
この間、ジョビンの伝記的な本「アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男 (単行本) エレーナ ジョビン (著), Helena Jobin (原著), 国安 真奈 (翻訳)」を読み終わりました。

アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男
(1998/10)
エレーナ ジョビン

商品詳細を見る


分厚い本なのでなかなか進まず、常に持ち歩いては時間を見つけて読みました。
先日もあるカフェで、時間潰しに読みはじめました。
ipodで「シナトラ・シングス・ジョビン」を聴きながら。


本は終章に入っていました。
伝記で終章ということは、その人の晩年が書かれる章です。
そのことにあまり気に留めず、うっかり読み進めてしまいました。

そのまさに亡くなる瞬間の描写はあまりに壮絶でした。
そして、その知らせを聞いた家族の様子は、作者がジョビンの妹だからこそ書ける緻密さで。

兄を失った悲しみに自分も取り乱す中で、幼い兄の子供達に直ちに事実を伝えなければいけないつらさ。
言葉を濁して説明する中で幼い娘ルイーザ(アルバム「アントニオ・ブラジレイロ」の「マリア・ルイーザのサンバ」で歌ってるあの女の子)が、「お父さんは死んじゃったのね?」とまるで大人のように察して筆者に語りかける様子。
死の直後の亡骸に「あなたは神様になったのね…」と取りすがって泣き崩れる妻・アナ。
瞬く間にTVやラジオの速報が流れ、ブラジルは3日間国中が喪に服したこと。
初めの結婚指輪を大切なキーホルダーに通してずっと持ち続けていたジョビンと、それを形見としてアナがテレーザ(初めの奥様)に届けさせた事。

読みながらあまりのリアリティに、深い喪失感を覚えました。

しかも、その時イヤホンからはシナトラの深い声で“sabia”が流れていて。

アメリカで大きな成功を収めながら、ずっとブラジルに帰りたがっていたジョビン。
ニューヨークの病院で、術後の経過不良で亡くなったジョビン。
Sabiaの冒頭「帰って行こう、帰っていこう、私の場所へ…」という歌詞が、まるでジョビンの心の声のような気がして。

胸がいっぱいになってどうにもならず、やむを得ず化粧室で号泣。
出先で読んだ事を今更ながら後悔したのでした。


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そんなわけで、しばらく歌っていなかったsabiaの譜面を、改めて書き始めました。
次のライブで、歌えるといいのですが。

| ボサノヴァ本レヴュー | COM(0) | TB(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。