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2013-05-13 (Mon)


今回も巷を騒がせた、村上春樹氏の新刊。
少し前に読了しました。
ハルキストとしては、新刊が出たらとりあえず外せませんので。

前作『1Q84』で個人的に気になっていた「愛」についての言及。
それまでにはない、「愛」という直接的な表現。
結局、book3まで読んだものの、やや釈然としなかったのですが…

今回の作品、愛という言葉はさほど出てきませんでした。
それよりも、主人公の抱える悩みというか、自分への諦観がまるで自分のことのようで…。

以下、多少のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。








主人公つくる君が、自分のことを「僕はいつも自分を空っぽの容器みたいに感じてきた。」と言うシーンがあります。
この、「空っぽの容器」という表現は、私が落ち込んで鬱がちになった時、必ず自分の口から出てくるフレーズによく似ていました。
自分には中身がない、ということもまたしかり。
つくる君の長年の自己評価は、ほとんど自己否定の上に成り立っていて、そのことは本当に私も同じでした。
このセリフのあと、ある人物からまるで赦されるような言葉を受けるのですが、その時まるで自分が赦されてるような気がして、涙が止まらなかった。

これだけたくさんの人に読まれるであろう本に、こんなに自分みたいな主人公が描かれるなんて…と思ったが、それはつまり、こんな風に思いながら生きてる人間は少なくないということだろうか、と思い当たり。
そう思えば、なんだかホッとした。
私だけじゃ、ないんだ。

そして、人は調和よりも痛みや傷によって結びつくというような表現にハッとした。
今までのハルキには現れてこなかった表現。

そして、最後に救われる言葉。
「すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ
僕らはあのころ何かを強く信じていたし、何かを強く信じることのできる自分を持っていた。
そんな思いがそのままどこかに虚しく消えてしまうことはない」

この文は、今後、私を支えることになるように思うのです。
何かを信じることはとても貴重なことで、たとえ時の移り変わりと共に何かが失われてしまっても、ある時「信じた」ということは決して無駄ではない。
だから、傷つくことは恐れずに、前を向いて。
傷つかなければ、本当の絆など、生まれはしないのだから。

強く、生きなければね。
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