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2013-06-26 (Wed)



1935年、RKOでのアステア主演二作目。
前作で好評だった、ジンジャーとのコンビはそのままに、そこに後の『邂逅』や『アンナとシャム王』などで有名なアイリーン・ダンと、西部劇で活躍したランドルフ・スコットを迎えての作品。
ダブル主演的扱いだったようです。


舞台は1930年代(と思われる)パリ。
アステア扮するバンドマン達は、仕事のためにパリにやってくるが、雇い主の勘違いから仕事がキャンセルに。
同行していた友人ジョン(ランドルフ)の叔母がオートクチュールのメゾン「ロバータ」のオーナーだったことから、仕事を斡旋してもらおうと訪ねるが…。

メゾン・ロバータのディレクター役のアイリーンと、アステアの友人役のランドルフの恋の行方を主軸に、バンドマン・アステアと、昔コンビを組んでいた歌手役のジンジャーの、これまた恋の行方が薄く絡みます。


興味深いのは、パリのオートクチュールの描かれ方。
顧客への服の提案の仕方、ディレクターが実はクチュリエだったり(ゴーストライターみたいなものか)、コレクションの発表の仕掛け方。
そして物語の鍵となるのが、この黒いドレス。




アステアのセリフ曰く「うなぎのような」黒のカクテルドレス。
女性陣は全員高評価のこの黒いドレス、男性からの評判が悪いのだ。
このドレス、結局試作のみでボツになるはずだったのだが、アステアのある計らいで、着用したランドルフの元カノが振られるというオチがあります。
その時、元カノが吐く捨てゼリフがこちら。
「服を知らないくせに、文句を言うなんて」


この辺のエピソードから、おそらくメゾン・ロバータはシャネルを強く意識していることが読み取れる。

シャネルは1920~30年代のパリ・モードを牽引したメゾン。
ココ・シャネルが革新的だったのは「黒」の扱い方。
それまで喪服の色でしかなかった「黒」を、ファッションの色として取り入れたシャネル。
ただ、きっと当時の保守的な男性は「黒」の良さがわからなかったはず…。


でも、本当は「黒」はとびきりの最先端だったはず。
結局、最終的にジンジャーがこの「うなぎドレス」とそっくりなドレスを着て、ロバータの新作コレクション発表会でアステアと踊ります。




この作品に出てくる女性はみんな前進的。
女を武器にしながら、巧みに男を利用して、たくましく生きていくような女性たち。
彼女たちにとって最先端の服はまさに「戦闘服」だったはず。
男受けだけを狙った保守的な服はもう時代遅れ。
それを象徴するのが、ランドルフの元カノが服を選ぶ時に言うセリフ。

「上品には興味無いわ。自分を主張したいの」

ここにあらゆる要素が集約されてる気がする。
だからこそ、ランドルフが記者に「肌を隠す服」を提唱したり、アステアが「男の望む女の服」と言ったりするあたりが滑稽でしかたない。
あげく、女性記者がこっそり「二人共頭がおかしい」と書き留めるところあたり、本当に面白いと思う。




そんな舞台設定はさておき、作品にはジェローム・カーンのヒットチューンが3曲。
“Smoke get in my eyes”,“Yesterdays”,,“I won't dance”.
うち前者2曲はアイリーンがオペラ発声で歌います。
うまいけど、まあちょっと前時代的かな…。

ダンスナンバーはアステア絡みの三曲。
“I won't dance”はアステアの華麗なストライドピアノが観られたり、「コンチネンタル」セルフパロ的振りがあったり、観ていてお得感満載で楽しい。




あと、それとは別にジンジャーと二人で踊る“I'll be hard to handle” は、当時の映画としては珍しく、タップの音も生で収録している、いわゆるエアで撮っているそうで、ジンジャーがそうとう頑張ってるのが観て取れるんですけど、それがまたなんとも言えず良い雰囲気で。
二人で踊るなら、こんな風に踊ってみたい。

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