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2013-07-03 (Wed)


1936年、RKOでの4作目。
アステア&ロジャースのコンビを全面に押し出さず、もうひと組のカップルと撮ったはずの映画ですが、ポスター見る限り思いっきり看板じゃないですか。あらまあ。

水兵のベイク(アステア)は元ダンサー。
かつてコンビを組んでいたシェリー(ジンジャー)にプロポーズを断わられたが、未だ忘れられない。
一方、高級クラブシンガーとして順調に見えるシェリーもまたベイクを忘れられずにいた。
海軍の一時上陸許可で、シェリーのいるサンフランシスコのクラブにやってきたベイクは彼女と再会し、お互い心を通わせるも、急な出航で中途半端に。
一方、同じクラブではシェリーの姉・コニー(ハリエット・ヒリヤード)とベイクの同僚のビルジ(ランドルフ・スコット)が出会い…。


どちらかといえばランドルフ&ハリエットの恋模様にスポットが当たったプロットだけど、カップルというよりはジンジャー&ハリエットの姉妹を目立たせたい感じがみられます。
ハリエット・ヒリアードという人は当時の人気歌手だそうで、彼女がピンで歌うシーンも2場面ありますが、役どころの地味な音楽教師を全うしたかのか、大変地味なテイクです。うーん。

この作品の頃はRKOのドル箱コンビになったアステア=ロジャースにどれだけ稼がせようとするかという制作の思惑と、コンビで売ることに用心深くなったアステア、ステージママでかなりの権限を持ち始めていたジンジャーのママ、この三者の攻防が作品に現れてきています。
燕尾服で踊るアステアは人気がありましたが、それに観客が飽きることを恐れた制作側が、今回の「水兵」という設定を用意したものの、結局人気が出たのは劇中劇でアステアが燕尾服で踊るナンバーだったそうな。
でも、私はセーラーシャツで踊る“I'd rather lead the Band” が一番好きかもしれない。



途中から水平がワラワラ出てきて、彼らに踏ませるビートに合わせて踊るアカペラがカッコいい!
アステアの粋な要素の一つに、バシッと決めつつもコミカルな要素がスパイスのように散りばめられているところがあると思うのですが、これはまさにそんな感じ。






ちなみに、バシッと決めた方では、やはりこのジンジャーとのフィナーレ “Let's face the music and dance” でしょう。
このナンバーは『トップ・ハット』に引き続き、ジンジャーの衣装でトラブルが起こったそうで。
ビーズとスパンコールが豪華なジンジャーのドレスは、袖がベルスリーブになっているのだけど、総スパンの袖は回転などの時に思いきり振られ、凶器となってアステアの頬や顎を直撃!
意識が朦朧としながらのテイクとなったらしいです…怖っ。
衣装って、本当に注意が必要ですよね、いやはや。
スパンコールとか落ちると滑るしね。
その上にタップシューズで乗っちゃったら…と思うと他人事ではありませぬ。
でも、まったくそんな風に見えないのは、さすがのプロ根性ですね~。

この曲、もともとハリエット・ヒリヤードの役が『ロバータ』のアイリーン・ダンの予定で、彼女向けに考えられていたらしいです。
ところが、アイリーンが人気のためスケジュールが押さえられず、代わりにキャスティングされたハリエットだと声が細くて曲が合わない…ということで、アステアが歌うことになったようで。
アーヴィング・バーリンという作曲家は、ピアノはろくに弾けないし、音楽理論もまるでなかったらしいのですが、神がかった曲を書く人で、この曲も確か構成が56小節だったかな?
サイズが半端なのです。
しかもマイナーからメジャーへの転調があったりして、かなり凝った構成。
というわけで、スタンダードとしてはギリギリ知ってる人もいるものの、歌ってるのは少ないかもしれない。
アニタ・オデイがガンガンに歌ってたり、ダイアナ・クラールはボサノヴァにしてたりしたけど、アステアの歌も結構苦労がみられるし、インスト向きかもしれません。
でも、踊るには美しく、ドラマティックな曲。編曲もまた見事です。






フレッド&ジンジャーのデュオで、もうひとつ。
ナイトクラブのダンスコンテストという場面。
設定が設定だけに、多彩なステップは、まるでステップの見本帳のよう。
ブロードウェイ、ボンバーシェイ、トラベリング…いやはや、勉強になります(笑)
ダンスのスキルを見せつけるナンバーだけに、これでもか!な踊りがさすがです。
だんだんテンポが上がるオケの編曲もまたエグくてよろし。






あと、特筆すべきは珍しいジンジャーのソロ。
オーディションという設定なので、細かいステップがたくさん。
私の苦手なステップもたくさん…(~_~;)
ジンジャーもちょっと大変そうですが、頑張ってます!
これ、いつか振り起こししてみたい。
自分の練習曲としてすごく良さそうな。
ニガテなドローバックス系のステップの練習になりそう(笑)
最後の決めポーズが可愛いのです。






あと、驚いたのはこのシーン。
アステアがピアノのチューニングをしたあと(しかしチューニング前の音の狂い方はあり得ないw )、華麗にストライドピアノを弾き始めます。
リズムの悪い並のピアニストなんか目じゃない。
さすがボードビル芸人上がりのアステア、芸の幅が広いです。






そういえば。
始めにナイトクラブで歌うこのシーン、途中からコーラスガールが加わって絶妙なカウンターメロディでハモりはじめます。
きっとこういう雰囲気がモータウンとかの感じに繋がってくんでしょうね。
コーラスって楽しそうだな、やってみたいな。(でも人間関係が大変そうだ…(~_~;)





ストーリーはイマイチだけど、アーヴィング・バーリンの音楽にかなり助けられてる感が強い作品。
そして、作品を追うごとに可愛く、キレイになっていくジンジャー。
冒頭、アステアと再会するシーン、涙ぐむジンジャーは本当にかわいい。
ちなみに、その返しで“I miss you ,too…little bit.”とアステアが言うのですが、この“little bit”がまたいいんだ、これが。
思いっきり引きずってるくせに、「僕も会いたかったよ…少しはね」とカッコつけるのがね~。


作品としては散漫な印象ではありますが、それなりに楽しませてくれます。
プロットの弱さは否めませんが、もうここまでくると、アステアとジンジャーが好きなら、まあ観て損はないかと思います。
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